ビーフィーターとボンベイサファイアを飲み比べ|ストレート・ジントニック・リッキーで分かった違い

ボンベイサファイアとビーフィーターのジントニックを並べて飲み比べ

ジンを買おうと酒屋に行くと、たいてい並んでいるのがビーフィーターとボンベイサファイアだ。どちらも定番のロンドンドライジンで、値段もそれほど変わらない。「結局、どっちを買えばいいのか」と迷う人は多いと思う。

そこで、家で2本を並べて、ストレート、ジントニック、ジンリッキーの3つの飲み方で飲み比べてみた。

結論:ジントニックなら、どちらを買っても外れない

  • ストレート:ビーフィーターは柑橘がジュニパーを引き立てる。ボンベイはスパイシーでスッキリ
  • ジントニック:違いはあるが小さい。トニックの甘さが味をまとめてくれる
  • ジンリッキー:違いがはっきり出る。香りや余韻まで楽しめるが、かなりドライ
  • 選び方:さらっと飲みたいならビーフィーター、ひとりでしっぽり飲みたいならボンベイ
目次

ビーフィーターとボンベイサファイアの基本

ビーフィーターボンベイサファイア
タイプロンドンドライジンロンドンドライジン
アルコール度数40%47%
ボタニカル9種類10種類
特徴的な素材レモンピール、セビルオレンジピールクベバ、グレインズ・オブ・パラダイス
製法ボタニカルを蒸留前に漬け込む蒸気でボタニカルの香りを移す(ヴェイパー・インフュージョン)
味の印象柑橘とジュニパーがくっきりスパイシーで軽やか

同じロンドンドライジンでも、設計の考え方は違う。ビーフィーターは柑橘の皮を効かせて、ジュニパーの輪郭を立たせるタイプ。ボンベイサファイアは、ボタニカルを液に漬け込まず、蒸気で香りを移す製法で、スパイスの香りを軽やかにまとめている。ラベルの「Vapour Infused」はこの製法のことだ。

ロンドンドライジンそのものについては、こちらで詳しく解説している。

ストレートで飲み比べ:違いがいちばん分かる

まずは何も割らずに、少量ずつ飲み比べた。違いはここがいちばん分かりやすい。

  • ビーフィーター:柑橘の香りがジュニパーを引き立てているような印象。ジンらしい松の香りが、明るくはっきり伝わってくる
  • ボンベイサファイア:スパイシーで、すっきりしている。華やかさよりも、キリッとした印象が残る

飲んでから表を見返すと、感じた違いがボタニカルの中身とよく一致していた。ビーフィーターの柑橘はレモンとオレンジの皮から、ボンベイのスパイシーさはクベバやグレインズ・オブ・パラダイスから来ているのだろう。

ジントニックで飲み比べ:どちらもおいしい

次に、同じグラス、同じ量で2杯のジントニックを作った。トニックは甘さ控えめの神戸居留地を使っている。

ボンベイサファイアとビーフィーターのジントニックを並べて飲み比べ
左がボンベイサファイア、右がビーフィーターのジントニック

正直に言うと、ジントニックにすると「そんなに違うか?」という感じだった。確かに違いはある。ただ、トニックの甘みがかなりしっかりしているので、ジンの個性がそこに包まれてしまう。甘さ控えめのトニックでもそうなのだから、ジントニックはトニックで割れば、たいていのジンがおいしくなる飲み方なのだと思う。

これは悪いことではない。初めてジンを買うなら、ビーフィーターでもボンベイでも、ジントニックにすればまず外れない、ということだ。

ジントニックの割合や、炭酸を逃がさない注ぎ方はこちらにまとめている。

ジンリッキーで飲み比べ:違いがはっきり出る

最後に、ジンリッキーでも並べてみた。ジンにライムを搾り、炭酸水で割るだけの、甘さのないカクテルだ。

ジン30ml
ライム1/4個を搾って、そのままグラスに落とす
炭酸水90ml前後
ボンベイサファイアとビーフィーターのジンリッキーを並べて飲み比べ
左がボンベイサファイア、右がビーフィーターのジンリッキー。炭酸水はウィルキンソン

炭酸水は、強めの炭酸でキレのあるウィルキンソンを使った。リッキーは炭酸水の割合が多いので、炭酸が強いほうが最後までだれずに飲める。

リッキーは甘みでごまかしが効かないので、2本の味の違いがしっかり出る。飲んだあとの余韻や、香りが鼻に返ってくる感じまで、はっきり楽しめた。ジンの違いを知りたいなら、ジントニックよりもリッキーがおすすめだ。

一方で、とてもドライなので、飲みづらいと感じる人も多いと思う。何かつまみたくなる味なので、ローストしたカシューナッツのような定番のナッツを添えると、ちょうどいい。

この日に合わせたのは、HOANG SON FOODSの「WOOD FIRE ROASTED CASHEWS」。皮付きのまま薪火でローストした塩カシューに、熟成チェダーチーズが入っている。塩気のあるナッツは、甘さのないリッキーの合間につまむのにちょうどいい。

HOANG SON FOODSの薪火ローストカシューナッツ(チェダーチーズ入り)とジンリッキー
薪火ローストの皮付き塩カシュー。チェダーチーズ入り

コラム:リッキーはドライすぎる、という人は「ジンソニック」を

リッキーは辛口すぎる、でもジントニックだと甘すぎる。そんな人には、トニックと炭酸水を半分ずつ使う「ジンソニック」がちょうどいい。ほどよい甘みが残りつつ、ジンの香りもジントニックよりはっきり感じられる。

  • ジン:30ml
  • トニックウォーター:45ml
  • 炭酸水:45ml

トニックが半分になる分、糖質もジントニックより控えめになる。甘さの好みに合わせて、トニックと炭酸水の割合を調整してみてほしい。

どちらを選ぶ?シーン別のおすすめ

どちらもおいしい。そのうえで、自分ならこう選ぶ。

  • さらっと飲みたいとき:ビーフィーター。家族と会話しながら、夕飯前に1杯、というシチュエーションでは、ビーフィーターのほうが合っていた
  • 自分と向き合って、しっぽり飲みたいとき:ボンベイサファイア。スパイシーで締まった味は、ひとりでゆっくり飲む夜に向いている

添えるものを変えると、個性がもっと活きる

飲み比べてみて、それぞれに合う添えものも見えてきた。

  • ビーフィーターにはライム:もともとの柑橘の香りと重なって、明るさがさらに引き立つ
  • ボンベイサファイアにはピンクペッパー:数粒落とすだけで、スパイシーさが活きる

どちらもジントニックやリッキーに加えるだけなので、手間はほとんどかからない。それぞれの特徴が活きて、よりおいしく楽しめると感じた。ほかのジンに合う添えものは、こちらでまとめている。

毎日のソーダ割り用に1本、と考えるならビーフィーターが使いやすい。ほかの定番ジンやクラフトジンも含めて選びたい人は、こちらの記事も参考にしてほしい。

よくある質問

Q. 初心者にはどちらがおすすめ?

ジントニックやソーダ割りで飲むなら、どちらを選んでも大きな差はない。迷ったら、クセが少なくジンの「基準」になる味のビーフィーターから始めて、慣れてきたらボンベイと飲み比べてみるのがおすすめだ。

Q. 違いを確かめるには、どう飲めばいい?

ストレートを少しずつ口に含むのがいちばん分かりやすい。ストレートがきつければ、甘さのないジンリッキーやソーダ割りで比べるといい。ジントニックはトニックの甘さで違いが小さくなる。

Q. ジントニックにするなら、どちらがおいしい?

どちらもおいしい。柑橘の香りを楽しみたいならビーフィーター、すっきり飲みたいならボンベイ、という程度の違いだ。ジンよりも、トニックの銘柄を変えたときのほうが味の変化は大きいかもしれない。いろいろな割り材を試したいなら、フィーバーツリーのトニックやジンジャーエールが少しずつ入った飲み比べセットが手軽だ。

まとめ:最初の1本はどちらでもいい。違いはリッキーで楽しむ

ビーフィーターとボンベイサファイアは、ストレートやリッキーで飲むとはっきり違う。けれど、ジントニックにすればどちらもおいしい。だから最初の1本は、手に取りやすいほうで構わない。

2本そろったら、ぜひリッキーで飲み比べてみてほしい。同じロンドンドライジンでも、ここまで個性が違うのかと驚くはずだ。その違いが分かるようになると、クラフトジンの世界がぐっと面白くなる。

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この記事を書いた人

外資系コンサル出身の管理職。出張先のバーでジンフィズを嗜むのが至福の時間。「デートでワインリストを攻略したい」とワインエキスパート資格を取り、勢いでブルゴーニュを自転車走破。現在はクラフトジン沼に没入し、自宅には常に複数のボトルが並んでいます。ワインの知識を活かしてジンの香りをわかりやすく紐解き、大人の知的好奇心を満たす教養をお届けします。

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